イタリア食材辞典
調味料・塩
オリーブの実を搾るだけで利用できる油、オリーブオイルは、イタリア料理には唯一無二の存在です。ワインのように熟成させて作るバルサミコ酢や、日本の塩と比べてミネラル分が豊富な塩もイタリア料理の基礎を形作る重要な食材です。
オリーブオイル

イタリア料理に欠かせないオリーブオイル。オリーブの果実を搾ったジュースといわれるように、その実を搾ったまま加熱せずに精製するフレッシュな食物油です。オリーブオイルはイタリアの法律によって、一番搾りで優れた品質のEXV(エクストラバージン)オリーブオイルから、バージンオリーブオイル、ピュアオリーブオイルと3つのカテゴリーに分類されます。
イタリアのほぼ全土で生産されていますが、栽培されているオリーブの品種は100種類以上もあり、産地によって色や風味が異なります。リグーリア州やトスカーナ州、プーリア州などがよく知られていますが、いろいろ試してみて、好みのオイルを探してみましょう。

ハーブ入りのオリーブオイル
オリーブオイルにハーブやスパイスを漬けておくと、風味のついたオイルができる。ハーブはローズマリーやバジルなどお好みのものを。にんにくや赤唐辛子を漬けてもいい。ハーブは熱湯に2~3秒くぐらせて、水気を切ってからおいるにひたすと、日持ちもよくなる。
塩

5つの海に囲まれたイタリアの塩はミネラルが豊富。とくにシチリア州・トラパーニでは2000年以上続く製法で塩造りが行われている。
ビネガー
イタリア料理の名わき役として欠かせないビネガー類。イタリアではぶどうを原料にしたビネガーが一般的です。”かぐわしい”という意味のバルサミコ酢は、イタリア北部エミリア・ロマーニャ州の伝統的なビネガーです。ほかに赤ワインビネガー、白ワインビネガーも手軽に手に入りますので、好みで使い分けましょう。
バルサミコ酢

甘味の強いぶどうを原料に、木の樽で熟成させたイタリアならではのビネガー。軽い甘味と酸味、独特の芳香がある。熟成期間は数年から、数十年寝かせることもある。料理のソースや仕上げに使われることが多い。
ワインビネガー

赤ワインビネガー
ぶどうの果皮がついたまま加工される、赤ワインビネガー。軽い渋みとコクのある味わい。
白ワインビネガー
ぶどうの果皮を除いてつくられる、白ワインビネガー。軽やかな風味が特徴。
肉・水産加工品
パンチェッタやサラミなどの食肉加工品のことをイタリア語で「サルーミ」といい、各地に伝統的なものが存在します。水産加工品の代表はアンチョビや干しだら。ミキサーにかけたり細かく切ったりと、料理に風味をだすのに欠かせません。
パンチェッタ

パンチェッタとは豚のバラ肉を塩漬けしたもので、適度な塩気と熟成されたうま味があります。加熱して脂を出し、パスタのソースや煮込み料理などによく使われます。手に入らない場合はベーコンでも代用できます。
塩漬けしたのち乾燥させたものと、スモークして香り付けしたものがある。
生ハム

豚もも肉を火を通さず塩漬けにして熟成、乾燥させた、代表的な食肉加工品。とくにエミリア・ロマーニャ州のパルマの生ハムは伝統的な製法で作られている。
サラミ
豚ひき肉に背脂などの脂身を混ぜ、熟成、乾燥させたソーセージ。イタリア各地で作られていて、有名なところでトスカーナ州のサラーメ・トスカーノがある。
サラーメ・フェリーノ

サラーメ・トスカーノ

アンチョビ
いわしの頭と内臓を取り除き、塩漬けにしたものと、オリーブオイル漬けにしたものがある。オイル漬けは、皮と中骨を除いたフィレ状とこしたペースト状がある。
ペースト

フィレ

干しだら
たらの加工品には、メルルーサの頭と内臓を取り除き、身を乾燥させた「ストッカフィッソ」と、身を開いて塩漬けにし乾燥させた「バッカラ」がある。

パスタ
パスタとはイタリアの麺類のことで、大きく乾燥パスタと手打ちパスタに分かれます。さまざまな形があるのが特徴。どの形のものを選ぶかは、ソースによって違ってきます。肉系の風味の強いソースには太めでしっかりとした食感のパスタを、あっさりと軽いソースや冷たいソースには細めのパスタを合わせるといいでしょう。ソースと相性のいいパスタを選ぶことが、パスタをおいしく作るコツでもあります。
ロングパスタ
原料にデュラム・セモリナ粉を使用し、水と塩で練ってひも状にしたもの。主に南イタリアで多く食べられている。直径0.9mm前後の極細のものから、穴あきタイプ、2.5mmの太いものまでさまざまな長さや形がある。深さのある大きめの鍋でゆでるのがおいしく仕上げるポイント。

- カッペリーニ(0.9mm)
- フェデリーニ(1.4mm)
- スパゲッティーニ(1.6mm)
- スパゲッティ(1.9mm)
- リングイネ
ショートパスタ
マカロニやペンネなどから、貝殻や土管に模したものなど、多種の形が存在する。小さいものは、スープの浮き実としても活用できる。浅い鍋でもゆでることができ、アルデンテの状態が保てるので使い勝手がよい。イタリアではショートパスタの方が多く食べられている。

- ペンネ(ペン先の形)
- フジッリ(ツイスト状)
- ファルファッレ(蝶の形)
- コンキリエ(貝殻の形)
平打ち・生・卵麺
主に北部イタリアでよく食べられているパスタで、粉、卵、塩からつくられる。乾燥パスタにはないもちもちとした食感が特徴。卵が入っていたり、詰め物をしてあったり、ほうれん草やトマトなどで色付けされていたりと、味と一緒に見た目も楽しめる。

- ラザーニャ(平麺)
- ニョッキ
- フェットチーネ(約8mm幅)
- ラビオリ(詰め物)
- フェットチーニ(約3mm幅)
チーズ
世界で8000種類以上あるチーズの中で、薬500種類がイタリアで作られています。イタリアでは、チーズそのものを食べるよりも料理やお菓子に多く使います。フレッシュタイプや青カビタイプよりもハードタイプが主流です。
モッツァレラ
水牛、乳牛の固まった乳を湯の中で練り、適当な大きさにちぎって作るフレッシュチーズ。塩気がないので、塩やコショウ、オリーブオイルをかけて食べることが多い。
水牛製

乳牛製

パルミジャーノ・レッジャーノ
イタリアが世界に誇るチーズ。牛の飼育から味やにおい、熟成過程など細かく管理されている。イタリアのなかでもモデナ、ボローニャなど5県でしか生産が許可されていない。

グラーナ・パダーノ
パルミジャーノ・レッジャーノと製法も形も似ているが、グラーナ・パダーノの方が、最低9カ月と熟成期間が短い。北イタリアのポー川流域の平野が主な生産地である。

ゴルゴンゾーラ
ロンバルディア州ゴルゴンゾーラ村で9世紀頃から作られていた歴史のある青カビチーズ。ピッカンテという辛口と、ドルチェという甘口タイプがある。

ペコリーノ
ペコリーノとは、羊の乳から作られるチーズの総称。ローマで作られたなら「ペコリーノ・ロマーノ」と産地の名前がつく。塩気が強く舌にのせると独特な辛みがあるのが特徴。

フォンティーナ
スイスとフランスを国境にもつヴァッレ・ダオスタ州の、原産種の牛の乳から作られるチーズ。弾力と甘味があり、加熱して溶かすと、独特な香りを放つようになる。

マスカルポーネ
乳脂肪分70%以上と濃厚なフレッシュチーズ。年間を通じてイタリア全域で作られている。生クリームのような風味を持つため、ティラミスなどドルチェによく使われる。

リコッタ
チーズ製造で発生する乳清を90℃ほどに加熱して浮き上がってきたもの。再度(リ)加熱(コッタ)することから名前が付けられた。特にイタリア南部で多く作られている。

タレッジョ
イタリアでは希少な、ウォッシュタイプのチーズ。牛乳が原料で仲は柔らかく少し甘みがあるが、熟成期間中に円錐で表面を洗い流すため、表面には独特なクセがある。

カステルマーニョ
ピエモンテ州の3地域で生産。牛乳が主原料で山羊乳、羊乳を混ぜることも。生産量が限られていて、条件があまりよくない山岳地帯で作られるためか、高価で貴重なチーズ。

米・穀類
イタリアはヨーロッパでも米を食べる国です。しかし主食として食べるのではなく、スープやサラダに使ったりと、野菜の一種として扱われます。ほかに押し麦や丸麦、とうもろこしの粉(ポレンタ)なども料理に活かさせています。
イタリア米

- カルナローリ……細長く粒の大きい米。粘り気が少なく、煮くずれがしにくいのでリゾットに適する。
- ナーノライス……丸みを帯びた米。リゾットのほか、野菜代わりやパスタ代わりに使われる。
穀類
小麦粉

イタリアでは小麦を精製度の高さ順に、00、0、1、2、全粒粉としている。写真は00。
セモリナ粉

パスタの原料になる粉。小麦粉の中でも粒が硬く、粉にしたときに粗い砂状になる。
ポレンタ粉

とうもろこしの粉。熱湯で練ったポレンタという料理の名前でもある。黄色と白がある。
ハーブ
素材そのものの風味を生かしたイタリア料理では、ハーブがとても重要な存在となります。ちょっとハーブを用いるだけで、料理の表情がガラリと変わり、よりおいしさが引き立つから不思議です。
料理の仕上がりに添えたり、オイルに香りを移したり、煮込み料理に加えたりと使い方はさまざま。乾燥ハーブで代用もできますが、生のハーブのフレッシュな香りにはかかせません。ハーブを上手に使いこなして、本格的な味を目指しましょう。
バジル

さわやかで甘い香りが特徴。野菜、肉、魚のいずれとも相性がよく、幅広く使える。トマトやチーズにもよく合うので、パスタやピッツァ、サラダなどさまざまな料理に使われる。
ローズマリー

特有のすがすがしい香りがある。肉や魚のロースト、煮込みなどに枝ごと用いて臭みを消し、香り付けをする。イタリア料理での使用頻度は高い。
イタリアンパセリ

イタリア料理でパセリといえば、この平葉のパセリを指す。細かく刻んで料理に散らしてあるグリーンのハーブはほとんどがこのイタリアンパセリだ。やわらかな香りで、幅広く使える。
フェンネル(ういきょう)

日本ではういきょうと呼ばれる野菜で、甘い香りと苦味が特徴。葉の部分はハーブとして、白く丸い茎の部分は刻んで料理に使われる。種子(フェンネルシード)も香辛料として利用される。魚のハーブともいわれ、魚料理の臭みを消して、香りを添える。肉料理やマリネの香り付けにも使われる。
タイム

さわやかな香りと、ほんの少し感じられる苦味が特徴のハーブ。肉や魚のロースト、煮込み料理などによく使われる。たいていは小枝ごと用いられる。
セージ

清涼感のある独特の強い香りを持ち、肉や魚の臭み消しに用いられることが多い。魚でも青魚などクセの強いものと合う。
トマト
南米原産のトマトがイタリアにもたらされたのは16世紀の大航海時代。ポモドーロ”黄金のリンゴ”と名づけられたトマトは、徐々に各地に広がって、イタリア料理に欠かせない存在となりました。イタリアでは産地や季節ごとにたくさんの種類のトマトが出回りますが、加熱用の品種が多いのが特徴です。日本でもさまざまな種類のトマトが手に入るようになりましたので、いろいろ試してみましょう。


生のトマトは様々な種類がある。従来の大きなトマトをはじめ、ひと回り小さくて甘みの強いフルーツトマト、小さなプチトマトなど、イタリアでは料理によって使い分けている。
トマト加工品
加熱調理用のトマトの皮をむき、果汁とともに缶詰にしたホールトマト缶や、トマトを天日干しにして乾燥させた乾燥トマトなど、使い勝手のよい加工品がイタリアにはたくさん存在する。
トマトの水煮

完熟トマトの水煮は通年手に入り、酸味と甘みのバランスがよい。ホールトマト(まるごと)はつぶして使い、カットトマトはそのまま使える。缶詰のほか、紙パックも出回っている。
トマトペースト

生のトマトを裏ごしして煮詰めたもの。トマトの味が濃く、調味はしていない。ソースに少量加えると深みがでる。なければ、甘みが強くなるが、トマトケチャップで代用できる。
トマトペースト

トマトに塩を振って乾燥させたもの。やわらかくもどしてから、刻んでパスタソースやサラダ、煮込み料理などに使う。オイル漬けのものは、そのまま刻んで料理に使える。
きのこ類
イタリアのきのこの代表格は、ポルチーニ茸とトリュフです。トリュフは世界三大珍味として知られ、イタリアではウンブリア州が主な産地です。ポルチーニ茸は生と乾燥があり、日本では乾燥タイプが主に出回っています。
ポルチーニ茸

イタリアを代表するきのこ。日本の干し椎茸のように、ぬるま湯でもどし、うまみのでたもどし汁もつかう。チーズやクリームとの相性がいいので、パスタやリゾットに使われる。
トリュフ

白と黒があり、白の方が希少。きのこ特有のかさも軸もなく、表面はざらざらしている。薄くスライスしたり刻んで使う。
マッシュルーム

イタリアではポピュラーなきのこ。肉厚で小ぶりなため、さまざまな料理に使われる。
その他の加工品
イタリア料理を支える食材はまだまだたくさん。オリーブやケイパーはイタリアの家庭の常備品です。
グリーンオリーブ

完熟前の青い実を、夏の終わりに収穫して塩漬けにしたもの。フレッシュな風味で、スタッフドオリーブにされることも多い。
ブラックオリーブ

完熟した実を冬に収穫して、塩漬けにしたもの。まろやかで深みのある味わい。
アンチョビフィレ

イタリア語でアッチューガと呼ばれるカタクチイワシの塩漬け。カタクチイワシの頭と内臓を取って塩漬けにし、熟成させたもので、特有の風味と塩味があります。日本のみそやしょうゆと同じように、イタリアでは基本の調味料として使われます。塩気が強いので、よく加減をみてから料理に加えましょう。
アンチョビペースト

アンチョビをペースト状にしてチューブ詰めにしたもの。少量づつ使える。
ケイパー
酢漬け

塩漬け
ケイパーという木の花のつぼみを酢漬け、塩漬けにしたもの。独特の風味と歯ごたえがあり、サーモンなど魚介類と相性がよい。塩漬けは、洗ってから使う。
バジルペースト

バジルの葉とオリーブオイル、松の実をフードプロセッサーにかけてペーストにしたもの。作るときはフレッシュなバジルの葉を用意します。